目指すは世界1位。
大坂なおみが考える「成熟することの意味」

  • 神 仁司●文・撮影  text&photo by Ko Hitoshi

「ここ2試合は第1セットを落としていますが、すばらしかった。コート上での問題を彼女は解決し、カムバックしたのです。彼女が示した成熟度を見るのはうれしいです。彼女は感情をうまくコントロールできていますし、ここまで今大会での彼女の振る舞いをとても誇りに思います」

 4回戦の対戦相手であるセバストワは、昨年のUSオープンでベスト4に進出した実力者。今季開幕戦のWTAブリスベン大会の準々決勝では、フルセットで大坂が勝っていたが、非常にタイトな試合になった。

 セバストワは、フラット系のグランドストロークをコントロールしながら、コースを突いて大坂のミスを誘った。また、バックハンドのスライスによるチェンジオブペースも効果的だった。

「彼女(大坂)はサーブでエースを取れますから、私はチャンスをものにできるまで必死についていかなければいけません。でも、いくつかのポイントがタフでしたね」

 こう語ったセバストワが第1セットを先取しても、大坂は決して怯まなかった。セバストワの浅く入ったストロークを、ベースラインの内側に入ってステップインしながら攻撃的なストロークを打っていった。とくに、大坂の武器であるフォアハンドストロークの強打は、形勢を逆転するための大事なショットになり、時折交ぜたドロップショットも効果を発揮した。

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