フルセットで驚きの強さ。錦織圭が微修正→劇的勝利でジョコ戦に挑む (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 第3セット以降、「もうちょっとしっかりラリー戦をして、攻めるように変えていきました」という錦織は、次第にフォアとバックのグランドストロークの調子を上げ、第3、4セットを連取して2セットオールとした。

 ファイナルセットでは、錦織が第3ゲームを先にブレークするが、「ちょっと落とすかもしれないな」と悪い予感がした第10ゲームでブレークバックを許してしまう。結局、お互いにサービスブレーク1回ずつで、勝負は10ポイントマッチタイブレークで決することになった。

 錦織は5-8となって窮地に立たされたが、タイブレーク14ポイント目でラインジャッジと主審の判定にカレーニョブスタが抗議して怒りで集中力を失い、ここから錦織がたたみかけるように5ポイントを連取。5時間5分の激闘に終止符を打った。

「自分は本当にいいプレーができたし、信じられないような試合だった。圭もまた本当にいいプレーをした。だから、このような形でコートを去るのは悲しかった」

 カレーニョブスタが落胆を隠せない一方で、錦織にとってはグランドスラムでの最長試合になったのにもかかわらず、時間の経過を忘れてしまうような高い集中力を最後まで維持し続けた。

「集中し過ぎていて終わった後、5時間と聞いた時にびっくりした。もちろん最後は足がきつかったですけど、5時間(も戦った)というのは、直後はあまり感じなかったですね」

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