錦織圭が「負けたと思った」全豪2回戦。勝因を示すデータがあった (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 ファイナルセットでは、錦織が先にピンチを迎え、4-4。錦織サーブの第9ゲームで0-40になった時には、錦織は「負けたと思いました」と敗戦を覚悟した。

「嫌な感じはもちろんありました。ファーストサーブが入ってくれれば、可能性はまだあるんじゃないかと多少は思いました。1ポイントずつというか、サーブにすごく集中しました」

 こう語った錦織が、5ポイント連続でカロビッチのミスを引き出してキープに成功すると、お互いすべてサービスキープをしてタイブレークに突入した。

 今年の全豪から、ファイナルセットで6-6になった場合、10ポイントマッチタイブレークで決着がつけられる。タイブレークでも一進一退の攻防が続き、錦織はなかなかカロビッチを引き離せない。

「リターンは返しまくっていたのに、(カルロビッチから)スーパーボレーが返ってきた。もう1点が取れないという嫌な展開でした。とくに、6-6のポイントでは決め切れなかった部分があった」

 錦織は、フォアの逆クロスを思い切って打って前へ出たが、カロビッチの読みが当たってバックのダウンザラインへのパッシングショットが決まり、錦織の6-7となった。しかし、ここからカロビッチのミスが続き、「まだチャンスはあると思っていたし、サーブの読みさえ当たれば確実にチャンスは来ると思っていた」と言う錦織が4ポイント連続で奪って決着をつけ、「勝ち切ったというか、自分から勝ち取ったスーパータイブレーク()」と、激闘を制した。
※10ポイントマッチタイブレークのこと

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