鬼門を乗り越えた錦織圭は「ケガの少ない身体」になりつつある (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 シーズン最終戦となるATPツアーファイナルズを戦い終えた時、錦織は「本当に、十分すぎる1年だった」と、朴訥な口調で今季を総括した。

「ケガもそうですし、メンタル的なこともそうですし。身体が強くなり、痛みが出なかったのも、今までなかったことなので......」

 胸の内をさぐりつつ、この10カ月を思い返し、訥々(とつとつ)と言葉を紡ぐ彼は、自分でもあらためて気がついたかのように、「いろんなことがケガから復帰してよくなったというか、乗り越えたこともあったと思います」と言った。

 キャリアを脅かしかねない苦境を乗り越えた先で、見える世界はこれまでとまた異なるだろう。

「今年1年がんばれたことは、ほぼ奇跡的なところもある。それは、我ながら評価できる」

 胸を張り視線を向けるその先を、ここから再び目指していく。

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