今季最終戦を棄権。涙の大坂なおみを救ったバインコーチの笑顔 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 シンガポールでの戦いを終え、大坂の2018年シーズンは終了。数週間のオフに入り、USオープン以降一度も帰っていないフロリダ・フォートローダーデールに帰る予定だ。

「愛犬が私を覚えているといいんだけど」と言う大坂は、これまでバケーションらしいバケーションを楽しんだことがなく、「オフ初日は家にいるのがうれしくて、何もしないでゴロゴロと横たわりたい」という願望がある。それでも、「2日目には退屈になって、再びテニスをしたくなると考えるかもしれない」と語る。

 バインコーチと初めてツアーを一緒に回った2018年シーズン、大坂はまさに飛躍的な結果を残した。インディアンウェルズでのWTAツアー初優勝、USオープンでのグランドスラム初優勝、そして、WTAファイナルズ初出場。シーズンはじめに70位だった大坂は、自己最高の4位でフィニッシュした。

「結果という点からは、これまでの私のベストシーズンだったと言えるでしょう」

 21歳の大坂が、WTAファイナルズに再び出場することは決して簡単ではないが、大きなケガをすることなくバインコーチと共に成長していけば、いずれは出場するだけでなく、日本女子初のWTAファイナルズ優勝をやってのける可能性も十分ある。

「来年もここ(ファイナルズ)に戻って来たいです。誰もが年末にファイナルズでプレーしたいと思っています。だからこそ、私にとっても目標であるのは間違いないです。もちろん私にとっては、一つひとつの大会も大切で、最終的な結果として、ここに辿り着けたらうれしいけど、あまり考え過ぎないようにしたいですね」

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