相手も驚く動きの速さ。錦織圭が格の違いを見せジャパンOPベスト4へ (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 だが、今後さらにチチパスをはじめとした"Next Gen"と呼ばれる若手選手たちが成長すれば、「今後1~2年でトッププレーヤーの顔ぶれが変わるだろう」と、錦織は予測する。チチパスは、いずれまた錦織と対戦し、今度は錦織を追い詰めるような強敵になるかもしれない。

 また、若き挑戦者と対戦する中で、錦織は、プロに転向して1年が経過した18歳の自分を思い起こし、時間の経過と共に成長した自分を振り返る一面もあった。

「(18歳の時は)思い切りのいいプレーがあった半面、テニスの粗さもあった。今はいい意味で落ち着いて、どっしり構えて、いろいろ経験できて、今があるんだなと今日感じました」

 準決勝で、錦織は、第8シードのリシャール・ガスケ(25位、フランス)と対戦する。2人とも天才肌だが、対戦成績は錦織の2勝7敗で、かつてガスケは、錦織が苦手にしている選手のひとりだった。

 2008年ジャパンオープン3回戦で、18歳の錦織(当時84位)は、ガスケ(当時13位)と初対戦し1-6、2-6で敗れている。試合後に錦織は、4歳年上で、すでにツアーのトップレベルで活躍していたガスケを、「リスペクトし過ぎた」と反省したが、その後ガスケ戦では6連敗を喫した。本来ショットメイクがいい錦織なのだが、ガスケの得意なバックサイドにボールを集めすぎて、戦術的に選択を誤って負けるケースが多かった。

 果たして、錦織がジャパンオープンで4年ぶりの決勝進出なるか。ベテランのガスケを相手に真価が問われることになる。

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