錦織圭がSNSでも明るさUP。ネガティブ思考一掃で楽天OPに挑む (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 現に、錦織の表情や雰囲気が明るくなったというのは、彼に近い人たちから多く聞く声である。何気ない会話やLINEでのやり取りでも、それは感じられるという。ツアー優勝などの好結果を残した日本人選手の多くも、錦織からの祝福メッセージを受け取ったと言った。

 あるいは最近では、同じ大会で顔を合わせるようになった選手たちに、錦織自ら声をかけて食事に行く機会も増えたようだ。

 大坂なおみも、そのように錦織から接触の機会を増やしている選手のひとり。「どうにか、なおみちゃんに近寄ろうとがんばってます。一緒にごはんにも行ったり」と、先の全米オープン時に、錦織は照れた笑みとともに明かしていた。昨年から国籍を日本に変えたダブルス・スペシャリストのマクラクラン勉も、今季は錦織と食事に行くなど親交を深めているという。そして彼らが揃って「驚かされた」と口にするのが、錦織の飾らぬ人柄だ。

「あんなにすごい人なのに、全然、偉そうにしない」とマクラクランが言えば、大坂は「あんなにいい人には会ったことないくらい。誤解を恐れずに言うなら......まるで大きな子どもみたい」と、おずおずと素直な想いを口にする。いまさらながら、周囲から漏れ聞く彼の人物像は、柔らかく自然体な佇(たたず)まいだ。

 今年のジャパン・オープンの開催地が、東京オリンピックに向けて改築工事中の有明コロシアムに代わり、武蔵野の森総合スポーツプラザというのも、例年とは気分が変わる要因にはなるだろう。もちろん気分だけではなく、会場の変化は実際のプレーにも少なくない影響を及ぼすはずだ。

 インドアのアリーナに施工されたテニスコートは、有明と同じくハードコートではあるが、ボールの跳ね具合やスピードなど、その特性も当然ながら多少異なる。なお、今回のハードコートの種類である「グリーンセット」は、今後錦織が出場するパリ・マスターズやロンドン開催のツアーファイナルズなど、ヨーロッパのインドア大会では主戦場となるサーフェス。今回のジャパン・オープン会場のそれは、有明に比べると多少ボールが高く跳ねる傾向があるという。

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