大坂なおみ準優勝の前日に、"みゆまこ"が日本人初優勝の快挙達成 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 決勝では第1シードのペアとの対戦になった。フラバチコバは、グランドスラムのダブルスで2勝を挙げ、ダブルスランキングは最高3位まで上がったことのある実力者。ストリコバは、東レPPOのダブルスで2010年と2016年に優勝しており、ダブルスランキングの最高は10位で、経験や実績は、加藤/二宮組を上回る難敵だった。

 だが、プレーが始まると、リズムよくサービスゲームをキープしていく加藤と、前衛でしっかりポーチを決めていこうとした二宮のコンビネーションがすばらしく、第1シードペアのテニスを上回った。

 第1セット第6ゲームの加藤のサービスで0-40のピンチがあったが、デュースに持ち込んで、ディサイディングポイント(WTAツアーでは、デュースになったら、レシーバーがサイドを選択して、1ポイントでゲームを決める)では、二宮がバッククロスへのポーチを決めて難局を乗り切ってみせた。

 快進撃の要因として、リターンの時に入るサイドの変更が挙げられる。広島から変更し、東京でもデュースサイド(コートの右側)に二宮、アドサイドに加藤が入った。USオープンまでは逆パターンでプレーしていて、しかも2人共にどちらかといえばフォアハンドストロークの方が強力だが、この変更にはどんな狙いがあったのだろうか。

「真琴のよさを引き出すには、フォア(デュース)サイドに入った方がいいだろうなぁと頭では思っていました。やるのって結構勇気がいるので、とりあえずちょっと時間が空く時にしようと。US(オープン)が終わって少し時間が空いたので、(日本の)2大会でどう? と言ったのがきっかけでした。それがうまくいってよかったです」(加藤)

「もともとフォアサイドが多かったので、感覚的にはやりやすい。私もサイドが変わることはちょっと不安があったんです。けど、未唯ちゃんのバックハンドもすごくいいので、やってみて思ったよりもハマっているなと思いました」(二宮)

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