テニス日本代表の世代交代。岩渕ジャパンは選手層の厚さでデ杯完勝 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 続く第2試合は西岡良仁(170位)が、ミルジャ・バシッチ(79位)を、6-4、6-3、6-3で下し、日本は2勝目を挙げて、チームの勝利に王手をかけた。

「全米の前から痛めていた左親指の腱鞘炎があったので、本当にギリギリまで出るか迷いながらの調整でした。でも、痛みが引いてくれたので出ました。今できるいいプレーができたかなと思います」(西岡)

 さらに大会第2日目、第3試合となるダブルスで、マクラクラン勉(ダブルス21位)/内山靖崇(ダブルス102位)組が、トミスラフ・ブルキッチ(ダブルス146位)/ナルマン・ファティッチ(ダブルス843位)組を、6-2、6-4、6-4で下した。

 マクラクランにとっては、デビスカップでのダブルス初勝利となり、さらに日本チームの勝利に直結した価値ある勝利になった。

「すごくうれしいです。絶対勝てると思っていた試合でした。ちょっと緊張したけど、大切な時にいいプレーができたから、ストレートの勝利でうれしい。そして、(日本が)全部ストレートマッチで勝ててよかった」

 こう振り返ったマクラクランは、昨年初代表入りし、この1年でダブルスに専念してツアーに定着。今季はオーストラリアンオープンベスト4、ウィンブルドンベスト8という目覚ましい活躍をして著しく成長し、日本のダブルスになくてならない存在になった。

 日本の3連勝で、しかもチーム全員で勝ち取ったWG残留を、岩渕監督は次のように総括している。

「全員が1勝ずつして理想的な形でした。内容を見ても、レベルが高いものだった。普通にいけば勝てるという試合が一番難しいので、それをいい内容で勝ち切れたのは大きな自信になったと思うし、すごく意味がある」

 今回の日本の勝因として、日本男子選手の層がさらに厚くなったことが挙げられる。錦織と杉田が抜けた穴を、ダニエルと西岡がしっかり埋めていた。

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