新時代の主役へ躍り出た大坂なおみ。
松岡修造氏も驚く練習内容とは

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

大会翌日にドレスアップをして、試合とは違う姿で現れた大坂なおみ大会翌日にドレスアップをして、試合とは違う姿で現れた大坂なおみ ニューヨーク、USオープン、セリーナ・ウィリアムズ、アーサー・アッシュスタジアム、そして、大坂なおみ......。

 大坂が、グランドスラム初優勝をするための舞台や役者を、たとえハリウッド映画でも、これほどタイミングよく完璧に揃えることはできなかっただろう。

 グランドスラム今季最終戦となるUSオープンの決勝で、第20シードの大坂(WTAランキング19位、8月27日づけ/以下同)は、第17シードのセリーナ・ウィリアムズ(WTAランキング26位、アメリカ)を、6-2、6-4で破り、見事初優勝を飾った。大坂にとっては、初めてのグランドスラムタイトルとなり、彼女の大きな目標のひとつを結実させた。

 大坂は、決勝の第1セット第3ゲームで、セリーナのサービスを先にブレーク。大坂の落ち着いたプレーにプレッシャーを受けたセリーナはダブルフォールトのミス。大坂にゲームを献上した。

 大坂が第1セットを先取すると、第2セットではセリーナサイドが大いに荒れた。

 第2ゲーム40-15の時点で、パトリック・モラトグルコーチからのコーチングあったと主審から1回目のコードバイオレーション(警告)を受けた。

 さらに、第5ゲーム後に、セリーナがラケットを壊したため2回目の警告で、ポイントペナルティとなり、第6ゲームは大坂の15-0から始まった。

 そして、第7ゲーム後に、ベンチからセリーナが主審に暴言を吐いて、3回目の警告。ゲームペナルティとなり、ゲームカウントが5-3になった。

 セリーナが主審に猛抗議をする中、大坂はセリーナに背を向けてバックコートの壁側に顔を向けて、ずっとラケットのストリングをいじっていた。「相手を見たら自分の心が揺れる」。元プロテニスプレーヤーの松岡修造氏も「目を見張った」という大坂がとった行動は、アレクサンドラ・バインコーチに教えてもらったことではなかったという。

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