初Vへ辿り着けなかった何かの答え。それでも強い錦織圭は帰ってきた (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

「彼(ジョコビッチ)との戦いは楽しみにしています。彼と戦うのは、自分が強くなれる戦いでもある。今日の敗戦も教訓として持ち帰って、また次の戦いを楽しみにしたいですね」

 今後、グランドスラム初優勝を目指すために、錦織は準々決勝から準決勝までに回復しきれなかった体力や、2週間で7試合をこなす戦い方が課題となる。

「グランドスラムの決勝にいって、優勝するまでには体力もいるし、メンタル的にも疲労はくる。そういう強さがまだまだ足りないのかなと痛感させられました」

 だが、昨年の右手首のケガから復帰したシーズンの中で迎えた今回のUSオープンでベスト4に進出したのは評価すべきだ。実際海外メディアからは、28歳の錦織が、準決勝に進出したことは驚きの目で見られていたほどだ。

「夏はあんまりよくなくて、ちょっと自分のテニスを見失いかけていた中で、やっと取り戻してきた」

 こう振り返った錦織は、大会後のATPランキングで12位前後に上昇する予定で、いよいよトップ10復帰が現実味を増してきた。

 実は、来年からグランドスラムのシードが32人から16人に戻るため、16位以内に入っておくことは、来季のグランドスラムでの戦いにおいてとても重要なこととなる。

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