ジョコビッチが偉業達成。全コート対応の要塞型が不可能を可能にした (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 この20年ほどのテニス界の変遷を振り返ったうえで、フェデラーはこう続けた。

「きっとこれから先は、もっと多くの選手がこのような記録に挑戦していくのだろう。ノバクは、その先駆けとなる存在だ」

"ノバク"とはセルビア語で、「新たに訪れし者」の意味を持つという。その彼の台頭により、テニス界の主流たるスタイルは、ベースラインでの守備を基礎とし攻撃も試みる、全コート対応の要塞型へと移り変わった。

 長くフェデラーらの後塵を拝しながらも、肉体改造などを成し遂げ、一時代を築くことに成功したジョコビッチ。その後は、ケガやモチベーション低下を乗り越える「ローラーコースター」の歩みを経て、今、彼はふたたび新時代の扉をこじ開けた。

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