ダブルスで五輪を目指す二宮真琴。「メダルを獲って人生を変えたい」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

――"えりまこ"ペアは、オーストラリアンフォーメーション(後衛のサーバーと、味方前衛が同じサイドで構える変則フォーメーション)も使いますよね。例えば、準決勝のマッチポイントでは、オーストラリアンフォーメーションから相手にダウンザラインへのリターンを打たせて、二宮さんがフォアクロスロブのウィナーを決めて、勝利しました。

二宮 あんなにきれいに決まることはあまりないですけど(笑)。私が、バックハンドでラリーするよりもフォアハンドでラリーする方が強いので、絵莉と以前組んだときから、オーストラリアンフォーメーションを使って、私がフォアサイドに移動する戦術をとっていました。

――決勝では、グランドスラムのセンターコートで初めてのプレーでしたね(決勝 3-6、3-6 クレチコバ/シニアコバ)。

二宮 始まる前は、グランドスラムのセンターコートでのプレーですごく緊張していたんですけど、入場した時に観客が少なくて、「あ、これ大丈夫だ」と思って、コートに入った瞬間、緊張がなくなりました。(試合後は)思ったより反響がすごく大きかったですね。(帰国時の羽田)空港での人の多さにびっくりしました。ほんのちょっとの間だけ楽しんでおこうかなって思っていました(笑)。

――全仏準優勝後の、「ダブルスを極めたい」という二宮さんの決断の言葉が印象的でした。なぜ決心したのか、改めて教えてください。

二宮 注目度や賞金も、シングルスの方が断然高いので、シングルスで勝ちたいと思っていたんですが、(今年の)2月と4月のフェドカップ(女子国別対抗戦)がきっかけで考えが変わりました。ダブルスで国の勝敗がかかる試合を任せてもらい、そこで勝てたのが大きかったんです。

 ダブルスでもっと上を目指していきたいし、2年後に東京オリンピックがあるから、そこも狙えるし、出るからにはメダルも獲りたい。でも、2年しかないので、今からシングルスのランキングを上げるのは絶対大変で、ダブルスの方が(出場条件のランキングに)近い位置にいるから、とりあえず東京オリンピックまではダブルス一本で行こう、と。フェドカップと全仏の結果もあって決めました。

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