サッカーを知った大坂なおみ。元女王に完敗も、強いメンタルで全米へ (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text & photo Ko Hitoshi

 また、サッカーにはもともと興味がなかった大坂だったが、ウインブルドン期間中に会場近くの家を借りて、バインコーチやトレーナーたちと共同生活をする中で、ロシアW杯サッカーに熱狂するバインコーチから影響を受けて、興味を持つようになった。2回戦後の記者会見では、"サムライブルー"のユニフォームを着用して現れ、「3番が誰かわからない」と、選手は知らないことを正直に語るお茶目なところも見せた。

 いまや多くの人が、大坂が未来のグランドスラムチャンピオンになり得ると語るようになった。そして、大坂自身も、自分がチャンピオンになる姿をイメージできるようになってきており、当面の目標としては、グランドスラムでベスト8に入ることを掲げている。そして、自身がチャンピオンになるために今必要なことを、大坂は次のように語る。

「たとえ自分が100%の調子ではなくて80%だとしても、勝つ方法を見つける必要があります。多くのベストチャンピオンたちがそうしてきたように」

 これで大坂のグラスシーズンは終了し、今後は夏の北米ハードコートシーズンに臨むことになる。トッププレーヤーになるための資質を、この夏にどれだけ身につけることができるのか注目したい。

「ハードコートは、自分の好きなサーフェスですから、今からプレーをするのが楽しみです。もちろんいいプレーをしたいですし、もっと勝てるように学んでいきたいです。今の調子を続けて、もっともっとテニスを進化させていきたいです」

 今季のメジャー最終戦であるUSオープン(8月27日開幕、ニューヨーク)で、20歳の大坂は、グランドスラム初のベスト8入りを目指すことになるが、今の彼女なら必ず実現できるはずだ。

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