錦織圭、ウィンブルドン前に快勝も、「芝はいろいろな部分に痛みが...」 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by picture alliance/AFLO

 試合後、錦織は右手首をアイシングしながら会見場に姿を見せた。「問題はない」と言うが、前回ケガをしたところとは違う部分に痛みが出ているという。錦織は現在の状態について、こう説明する。

「いろいろな部分に痛みは出てきます。2カ月くらいテニスをせず、筋トレもできない状態だったので、(痛みが出てくるのは)自然というか......。(芝では)無理なポジションでボールを打たされるので、休んでいたぶん、痛めた箇所だけではなく、手や腕のいろいろな部分に痛みがくるときはありますね」

 錦織は3年連続で、この大会をケガによってリタイアしている。昨年も、1回戦を突破すると、「身体的にはOK」と語っていたが、2回戦途中で棄権を余儀なくされた。この大会に関しては、ケガなく戦い抜けるかということが大きなテーマになるだろう。

「このサーフェスではあまりプレーすることがありませんし、僕の身体にとってはタフ。スピードを使えないし、身体の違う部分を使わなければならない」と本人が語るように、ボールが速く滑る芝は、錦織にとって身体的に大きな負担となる。

「怖いのはバウンドがいつも正確(規則的)でないのと、結構(ボールが手元に)食い込んでくること。これは予防しようにも、どうしようもないことなので、それが今でも少し怖いですね。フレームショットになったり、無理な体勢で打たされるのは、このサーフェスだとしょうがない」

 確かにこの日の試合でも、差し込まれて無理な体勢からショットを放ち、ネットに引っ掛けるシーンが目立っていた。

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