大坂なおみ、もう泣かない。全仏はメンタル安定、ウインブルドンに期待 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 インディアンウェルズは、グランドスラムに次ぐグレードのプレミアマンダトリー大会で、グランドスラムと出場しているメンバーはまったく一緒だ。また、インディアンウェルズ大会は、96ドロー(32シード、シード選手は2回戦から出場)の大型大会で、大坂は1回戦から決勝まで7試合を勝ち抜いてツアー初タイトルを勝ち取った。そして、このことを誰よりも高く評価しているのが、今年から大坂に帯同しているアレクサンドラ・バインコーチだ。

「インディアンウェルズで、なおみはとてもレベルの高い、とても厳しい7試合を戦い抜きました。誰にでも勝てることをすでに、証明しているのです」

 バインコーチの存在があるからこそ、大坂は昔からの目標であるグランドスラムでの初優勝を堂々と口にして、よりはっきりとした目標を見据えることができるのではないだろうか。そして、バインコーチは、まだ20歳の大坂の才能を心から信じ、いずれ一緒に目標を達成できると確信している。

「グランドスラムを含めて、どのトーナメントへ行くときでも、準々決勝や準決勝で負けることを考えているわけではなく、目標はあくまで優勝です。もちろん、なおみはグランドスラムで優勝できる力を持っています。今年できるかどうかはわかりません。時が教えてくれるし、少しの運も必要ですし、それらが合わさったときに実現するはずです。とてもポジティブな未来が、これから彼女に待ち受けていると思えるのです」

 すでにウインブルドンまで続くグラス(天然芝)シーズンに照準を定めた大坂は、グラスでプレーすることを心待ちにしている。

「私のゲームスタイルは、グラスに合っていると思います。昨年はウインブルドンでいいプレーができましたし、自分がどんなプレーをできるのか楽しみです」

 昨年のウインブルドンで、大坂は初出場ながら3回戦に進出したが、今年はさらにいい結果を残せるのではないだろうか。そして、大坂とバインコーチの大いなる夢は、近い将来どこかのグランドスラムできっと実現するはずだ。

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