錦織圭、トップ10復帰へ「グランドスラム4回戦の壁」をブチ壊せ! (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「フォアもそうですし、バックのダウンザラインだったり。(3回戦では)そんなに狙っていなくても、ライン際に吸い込まれたり、そういうショットも多かった。オンラインが今日(3回戦)はすごくありましたし。でも、ストローク全部ですね。やっぱりフォアを使って、今日みたいにプレーできれば、もっと自分から攻めれるスタイルになっていく。精度は両方(フォアとバック)とも上がってきていると思います」

 3回戦後に語ったこの錦織の感覚がさらに研ぎ澄まされれば、彼らしい躍動するフォアハンドストロークを主軸とした攻撃的なテニスを実践できるようになり、ランキングを再浮上させていけるのではないだろうか。ただ、錦織にとって残念なのはクレーシーズンが終了してしまったことだ。

「もうクレーも終わり、次は芝なので、気持ちも切り替えて、テニスも変えていかないといけない。次の調整をしたいと思います」

 錦織の復帰過程という観点からすれば、第19シードとして臨んだローランギャロスでベスト16という結果は、シードは守ったので決して悪いものではない。また、上位シードのティームに負けたのだから、落胆する必要もなく、まだまだ道半ばといったところだ。

 だが、錦織の悲願であるグランドスラム初制覇への道程からすれば、自分に期待し手ごたえを感じていた分、決して錦織は満足できないだろう。

 当面、錦織はグランドスラムで順当にいった場合、4回戦で上位シード選手との対戦する可能性が高く、この第一関門を突破しないと優勝戦線に残ってはいけない。ランキングを少しでも上げ、高いシードを獲得することも、錦織にとってはテニスの質を上げるのと同じくらい大切なことだ。

 ローランギャロスでさらに得ることができた自信と、クレーシーズンで取り戻したストロークのいい感覚を携えて、錦織のトップ10復帰への挑戦は続いていく。

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