大坂なおみ加入で勢いづく女子テニス日本代表。世界一も十分狙える (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 一方、今回の日本代表では最年長となる26歳の奈良は初日、コンタに4-6、2-6で敗れたが、日本の1勝2敗で再び出番が来た。そして、もう負けられないという状況下で、意地を見せて7-6(7)、6-4でワトソンを破り、チーム内での存在感をあらためて見せつけた。

「なおみちゃんがフェドに出ると決まった時から、自分がとにかく1勝すれば、(日本が)勝利できるんじゃないかって結構前から思っていた。初日に負けた時も、落ち込むというよりは、次に向けてすぐ気持ちを切り替えることができた。今までフェドで経験してきたことが活きたと思います。大会2日目に、自分の仕事ができたことはよかったです」(奈良)

 2勝2敗となり、最終試合のダブルスで、イギリスは当初のメンバーから変更してコンタ/ワトソン組を投入して勝負に出たが、加藤/二宮組が、3-6、6-3、6-3の逆転勝ちを収めて、日本の勝利を決定づけた。

「アジア・オセアニアゾーンの時から、ワールドグループで戦ってみたいと思っていたので、自分達でつかみ取った結果を嬉しく思います。日本は団結力があるし、特にダブルスは強みでもあるので、もっともっと上に行けるんじゃないかなと思っています」(加藤)

「私はとにかく上に上がりたいと思っていたので、チームのみんなでつかみ取れたのはすごく嬉しいです。さらに上の舞台でも、どれだけ自分の力が出せるのか、もっと挑戦したいと思います」(二宮)
 
 今回の日本代表では、ふだんツアーに帯同している各選手のプライベートコーチも、日本チームに参加した。例えば、大坂につくアレクサンドラ・バインコーチは来日して、一緒に練習に参加し、土橋監督と情報を共有して、できるだけ大坂をいいコンディションへ導こうとした。奈良、加藤、二宮も同様にプライベートコーチがついた。この結果、各選手が最大限の力を発揮しながらそれぞれの役目と責任を果たすことができ、柔軟な土橋流の監督術が功を奏した。

「われわれが計画を立てて、WGへ行くために、どの選手を選ぶのか、どういう準備をするのか、どういうサポートをするのか、これらを考えてつかんだのが今回の昇格です」(土橋監督)

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