恐るべき美女ペア誕生。加藤未唯&二宮真琴「うちら、ラスボスやから」 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文・撮影 text & photo by Uchida Akatsuki

 ふたりが日本代表に選出されたのは、今回が初めて。フェドカップのアジア/オセアニア地区大会は、8ヵ国が4チームのグループに分かれて総当たり戦を行ない、最終的には各グループの1位が決勝戦を戦う。ここで勝てば「ワールドグループ昇格」をかけた入れ替え戦へ出場する権利を手にできるが、負ければ何も残らない。

 また、国ごとの対戦では、シングルス2試合の後にダブルスが行なわれ、2勝を手にしたほうが勝利国となる。つまりはシングルスで星を分け合った場合、チームの命運はダブルスに委ねられるのが常。初めて日の丸を背負う彼女たちが身を置いたのは、そのような立場だった。

「いつか代表に呼ばれたいけど、まだ遠い先のこと」と思っていた二宮は、昨年末に監督から招集の意思を告げられたときから、緊張でどこか落ち着かない日々を過ごしていた。

 フェドカップ前に練習したとはいえ、加藤との実戦は久しぶり。また、穂積と組んでいたときの加藤は、ひとつのポイントを決めるのにじっくり時間をかける印象もあった。「私は絵莉ちゃんみたいに後衛で長く打ち合えないし、大丈夫かな?」。そんな不安も、二宮にはあったという。

 だが、いざ試合が始まると、ダブルスの戦術理解と前衛での動きに長ける、ふたりの意思と動きが噛み合った。二宮にはフォアのリターンという磨き上げた武器があり、加藤にはコートを縱横に駆ける機動力がある。

 状況に応じてポジションをスイッチし、早く仕掛ける速攻型の展開に、加藤も「日本が世界で勝つにはこういう速い展開が必要なのかも」と、新鮮な喜びと発見を見出していた。予選リーグの3試合では、いずれもチームの勝利が決まった後だったこともあり、ふたりは伸び伸びとプレーし、次々に勝利を掴んでいった。

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