なんと11年ぶり。杉田祐一が5セットを戦い抜いて勝ったことの意味 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 さらに杉田は2日後にも、イタリアのエース、ファビオ・フォニーニとフルセットの熱戦を繰り広げた。この試合は僅差で敗れるも、「フォニーニ戦ではどんどんいいプレーができたし、終盤でもプレーが落ちることがなかった。体力、フィジカル的に問題はなかったので、そこは自分のなかで大きなステップアップ」と、数字には表れぬ大きな戦果を持ち帰る。

「全体的に5セットの経験が少ないので、この経験を積むことができたのはよかった」

 敗戦にことさら悄然(しょうぜん)とするでも、かといって強がるふうでもなく、杉田は手にしたものの重みを淡々と言葉にした。

 2007年から11年の月日をかけて積んだ5セットの2試合を、彼は今回のデビスカップのわずか3日間で自身のレジュメに刻み込んだ。凝縮された時を駆け、ひとつの試合を、1本のショットをも意義ある財産として掴み取りながら、杉田祐一は「ツアー(旅)」の先へと進む。

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