日本男子テニスは「錦織抜き」で十分戦える。デ杯惜敗で見えた光明 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 イタリア戦の初日には、シングルス2のアンドレアス・セッピ(78位)を、4-6、6-2、6-4、4-6、7-6(1)で破った。セッピにも1回マッチポイントを握られたが、3時間28分の接戦の末、杉田はWGでのシングルス初勝利を手にした。

 3日目のエース対決では、経験に優るファビオ・フォニーニ(22位)に対して、杉田は2回のマッチポイントを取り切れず、6-3、1-6、6-3、6-7(6)、5-7で、4時間8分の激戦の末に敗れた。

「最後、サーブの修正ができず、サービスキープがうまくいかなった」と振り返った杉田だったが、全体的に2試合ともよく足が動いていて、ボールへの反応もよく、高い集中力でテニスができていた。それは日本のエースにふさわしいプレーだった。

「どの試合も絶対ギリギリになると思っていたので、本当に悔しい結果です。けれども、充実感はありますね。こういう戦いが今まではできていなかったので。この舞台でできたことは、本当に僕ひとりの力だけでないのは間違いない。みなさん(日本チーム)が支えてくれて、最後までいいプレーができた。また、みんなで(ツアーでの)個人戦も頑張っていきたい」

 これまで錦織頼みであったWGでのシングルス戦で、杉田が結果を残したことは、今後の日本代表の戦い方に光明をもたらした。

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