デ杯、東京五輪。テニス日本代表のカギはこの「ダブルス戦士」が握る (5ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「ベンにとっては、リターンポジションの変更は大きいと思う。あと、ベンの強みのひとつはバラエティがあるところで、ロブリターンもするんです。なかなか最近はあまりそういうプレーをする人はいないですね」

 一気にランキングを駆け上がることは、トッププレーヤーになるための条件のひとつとされているが、2017年ジャパンオープン初出場でのATPツアー初優勝、そして、今回の全豪での初のベスト4によって、マクラクランのATPダブルスランキングは、自己最高の36位(1月29日付け)になり、ダブルストッププレーヤーの仲間入りを果たした。

 嶋田コーチは、「ツアーレベルで、ベンもどんどん顔を売っていかないといけない。行かないと、向こうからなかなか声はかかってこない」と心配していたが、これからはダブルスパートナーになってほしいというオファーも増えるだろう。

また、全豪でランキングポイント720点を獲得したことにより、年間の上位8チームしか出場できない男子テニスツアーの最終戦・ATPファイナルズの出場権を争うダブルスレース to Londonでは、3位タイにつけている(1月29日付け)。ベンのツアーコーチである兄のリッキーが「どう考えているかわからない」と言いながら、嶋田コーチは、もちろんこのレースの行方を意識していて、25歳のマクラクランが、日本男子としてのダブルスでのツアー最終戦初出場を果たすという大いなる野望に胸を躍らせている。

「今、3位ですね~(笑)。(マクラクラン兄弟の)目標に入っているかどうかちょっとわからない。本当に急だから。でも、(この目標は)いいアイデアですね」

 次なる戦いの場は、2月2~4日に盛岡で開催される、デビスカップ・ワールドグループ1回戦「日本 vs. イタリア」になる。初戦突破のために、マクラクランは内山と組むダブルスで非常に大切な役目を担うことになる。

 2018年シーズンは個人戦でも代表戦でも、マクラクランのダブルスの戦いから目が離せない。

◆36歳でも強くなるフェデラー。ケガ続出のライバル勢に止められるのか>>

◆西岡良仁が大ケガのリハビリ中に知った 「テニス以外の大切なこと」>>

■テニス 記事一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る