杉田祐一、「ギャンブルみたいな相手」に壮絶敗戦。次なる戦いはデ杯 (3ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 長いラリーは、もちろん最初からないことがわかっていたが、それでも杉田はフォアハンドでの40本を含む79本のウィナーを決めてみせた。また、自分のミスを22本に抑える一方で、カルロビッチに50本のミスをさせた。ビッグサーバーのカルロビッチに対して、杉田はやるべきことはできていたが、最後のワンチャンスをもっていかれた。

 いつもなら試合後の会見で質問に1問でも多く答えようとする杉田だが、この日ばかりは口数が少かった。絞り出すようにして「悔しいけど、しようがない」と、何とか質問に答えていたが、最後は自分から「ありがとうございます」と切り出して、会見室から足早に立ち去っていった。

 杉田はグランドスラムで3度目の2回戦だったが、今回も3回戦へあと一歩届かなかった。これもまた成長するために必要な経験だと、彼自身が消化するためには、少し時間が必要な敗戦かもしれない。

「(1回戦で)シードを倒していたので、もっといいところまでいきたかったです。(2回戦は)ギャンブルみたいな相手だったので、しょうがなかったですね。運を呼び寄せられるように、精神的にも準備しないといけないですし、チャンスをものにできないとこうなってしまう」

 だが、今回のようにどちらが勝ってもおかしくないような際どい勝負をものにしていかなければ、この先さらに上のステージにいけないことを杉田は十分理解している。

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