伊達公子が全豪オープンテニスを展望「勢いのある杉田くんが楽しみ」 (4ページ目)

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi

 2015年に伊達さん(当時173位)は、17歳の頃の大坂(当時203位)と、WTAスタンフォード大会予選1回戦で対戦したことがあり、6-7(3)、6-4、6-3で伊達さんが勝っている。その後、大坂がツアーへ駆け上がった成長スピードをどう見ているのだろうか。

「もうちょっと最初は時間がかかるかなと思っていました。対戦する前にも大会が一緒の時には幾度か練習を(一緒に)していたし、スタンフォードの大会会場に入った時にも練習をしたうえで試合をやって、当時はプレーが粗すぎるぐらい粗かった。それが変われば、怖い存在になるだろうとも思っていました。

 もったいないのは、サーブひとつを見ても、改善の余地があること。あれだけの身長(180cm)とパワーがあって、もっとセカンドサーブがよくなる可能性はあるし、今の年齢だったら改善できるので、さらに大きな武器になるのでは、と思います」

 日本女子勢にはもっと上位を狙ってほしいと、伊達さんは後輩たちにエールを送る。

「何か際立ったものがないなかで、立ち向かっていくのは簡単ではない。ただしつこいだけだったら、他にもたくさんいる。その辺をどうするか、どうしてもぶち当たる課題がずっとあります。今からテニスを大きく変えるのは難しいと思うので、継続的に我慢強くやるしかないでしょう」

 さらに、現役時代にコート上での駆け引きに長(た)けていた伊達さんは、かわいい性格の後輩たちに、伊達さんらしい興味深いアドバイスもする。

「今の時代、ある意味みんなまじめですよね。ずるいことをする人がいない(笑)。やれって言われたことは絶対やるし。私たちの時代は、ずるいことをいかにしようかって(笑)。それがいいのか悪いのかは別として」

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