西岡良仁が大ケガのリハビリ中に知った
「テニス以外の大切なこと」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 わずか1ヵ月間にトップ50選手を4人破り、ランキングも91位から58位へと急上昇させるなかで遭遇した、本人いわく「事故」だった......。

 そのときから、約9ヵ月の月日が過ぎた。リハビリとトレーニングを経て、復帰戦をいよいよ数週間後に控えた西岡は、ケガから今日までの日々を「いい時間やったかなと思います」と穏やかに振り返った。

「ケガして約1年休むことになったとき、『いろんなことができるな』と、少し楽しみに思ったところもあったんです。僕、12歳のころから海外遠征に出ていたし、15歳からはIMGアカデミー(米国フロリダ州)に行っていたので、こんなに日本にいたのも10年ぶりでしたから。

 プレーしているときはテニスで忙しかったけど、ケガした後は別のことで忙しかったので。いろんなことにトライしようとあえて忙しくした部分もあるし、取材を受けたり自分から発信したり......それによって新しく会う人が増え、つながりもいっぱい増えました。

 そういう意味では、幅は広がったかなと思います。テニスができなかったのはもちろん悔しかったし、他の選手の活躍を見てうらやましいと思ったりもしましたが、22歳の人間として得たものはたくさんあったので、今後の人生に生きていくかなと思います」

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