誰よりも世界を知る伊達公子が
「日本テニス界に伝えておきたいこと」

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


「年齢に関係なく何かやりたいと思い、夢を持ち続け、夢を実現させるために踏み出す勇気を持つことで、より生き生きとした人生を送れることを示せた」と伊達自身も胸を張る。
 
 そして、伊達の意志を引き継ぐのは、決して選手だけでなく、ファンも含めたテニスを愛するすべての人間なのではないだろうか。

「みなさんが日々の自分に置き換えた時に、大きいことではなく小さなことでも、子育てに追われたり、仕事に追われたりする中で、何か見つけて踏み出す勇気を持っていてほしいなという気持ちでいっぱいです」
 
 今後は、第1次キャリア引退後からすでに彼女が取り組んでいたテーマであるテニス環境整備も含めて、「この先、自分自身でどういう形でやっていくかは、時間をかけて考えていくことになると思います」と、活動を模索していくことになりそうだ。
 
 伊達がすべての現役キャリアを終えた今こそ、われわれが彼女の意志を汲みとって、手を携えながら育成面、強化面、環境面でも、広く深く理解を求めながら"伊達レガシー第2号"作っていくべきなのではないだろうか。その先に、伊達公子の長年の夢である、日本でテニスがスポーツ文化として根づく未来が待ち受けていることを信じたい。

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