大坂なおみ、「憧れのビーナスに勝てたんだから」と笑顔で今季終了 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 原因は、精神面にある。彼女は精神的なアップダウンが激しく、ゆえにプレーや結果も安定しない。彼女に必要なのは、常にトッププレーヤーとやっているときのような精神状態で試合に挑むことなんだ」

 またテイラーは、この課題がすぐに解決されるとは思っていない、とも言った。

「最近は、10代のころに将来を期待された選手が22~23歳ごろに開花し、トップ10入りする例が多いんだ。(10月16日に20歳となった)なおみも、まだ時間がかかると思う。多くの人が早く結果を求めるだろうが、少なくとも1~2年は見守ってほしい。これは数日間で改善される課題ではなく、人間的な成長が何より必要なのだから......」

 大坂なおみ本人は今季を振り返り、笑顔で「全体としては喜ぶべきシーズン」だと断言した。

「結果的にビーナスのようなトップ選手にも勝てたのだから、ネガティブになる必要はない。ランキングが去年より下がったことを指摘する人もいるだろうけれど、それは気にしてないわ。だって私は、自分が去年よりも成長し、いいプレーヤーになったことを知っているもの」

 初めてラケットを手にし、姉とともにウィリアムズ姉妹の足跡を追い始めてから15年。その出発点にいるビーナス・ウィリアムズを破り、大坂なおみの10代最後のシーズンは暮れていく。

 自身の成長への確信と、これから踏破すべき長い道のりを指す、夢への指針を浮かび上がらせて......。

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