内山靖崇がマクラクラン勉と出会い、
楽天OPで優勝するまでの道のり

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 ところが今年、日本ナショナルチームコーチに就任したトーマス嶋田氏がマクラクランのコーチと旧知の仲であることが、ふたりのキャリアをふたたび重ね合わせる。嶋田コーチの説得もあり、日本国籍も持つマクラクランは9月のデビスカップで日本代表デビュー。そのダブルスパートナーが内山であり、そしてふたりは今大会にも主催者推薦枠を得て出場したのだ。

「今日はベンが最初から最後まですばらしかった。第1セットでリードされたときも、ベンのおかげで追いつけて。みなさん、『ベン、すげー!』って覚えて帰ってください!」

 今大会の2回戦で、第1シードにして先の全米オープン優勝ペアでもあるホリア・テカウ(ルーマニア)/ジャン=ジュリアン・ロジェ(オランダ)組を破ったとき、内山はコート上のインタビューでうれしそうに声を張った。その後の会見でも改めて、新パートナーを「ネットでの反応がすごい。僕がサーブしているときも、安心して前を任せられる」と絶賛した。

 一方のマクラクランも、「彼には弱点がない」と内山への賛辞を惜しまない。「これまで僕が組んできたダブルス専門の選手だと、どうしてもストロークが弱いこともあった。だがウチ(内山)はリターンもいいし、なんでもできる」。オールラウンダーな内山は、マクラクランにとっても安心して自分の背を任せられる「最良の相棒」だった。

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