テニス界の超秀才・ラオニッチが語る、錦織圭と男子ツアーの近未来 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― それはもちろん、ラオニッチ選手たちのチャンスも大きくなったということですよね?

ラオニッチ もちろんだよ。今のテニス界の状況が、ケガを治して万全の状態でツアーに復帰するうえでの大きなモチベーションになっている。来年だけでなく、今後数年にわたって僕らには大きなチャンスがあると思う。

 大切なのは、ケガなく長期間を通していいプレーをし続けること。今年の全米オープンを欠場せざるを得なかったのは、正直、大きな失望だった。ノバクやアンディ、スタンもいない全米は、誰にとっても大きなチャンスだった。それなのに、僕もケガをしてしまったのだから......。

―― ケガでテニスを離れるのは残念ですが、同時にラオニッチ選手は映画や芸術、ビジネスなど実にさまざまな分野に関心があり、休んでいる間もいろんなことを吸収しているようです。そのような性質は、どのように獲得したのでしょう?

ラオニッチ 単に好奇心旺盛なんだと思う。そして興味を抱いたからには、最良の物を知りたいとも思っている。幸運なことに、僕はこれまでさまざまな分野に精通した多くの人に出会い、いろいろな世界を見る機会を得てきた。そしてチャンスを得た後には、自分で本を読んだり、ドキュメンタリーを見て、より深く知るようにしているんだ。

 また、さまざまな世界に触れられる環境に身を置くよう心がけてもいる。僕はテニス選手ではあるけれど、人間性はそこだけでとどまる必要はない。いろんなことを吸収したいと思っているからね。

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