テニス界の超秀才・ラオニッチが語る、錦織圭と男子ツアーの近未来 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 特にテニスは他のスポーツと比べても珍しいほどに、毎日のようにコンクリートの上を走る競技。ゆえに関節に強いる負担が実に大きい。そのような側面から考えても、11ヵ月のシーズンは長すぎる。開催地や期間も、特定の場所や時期に集中させるべきだと思う。そうすれば選手たちも、リカバリーや身体のケアにあてる時間を増やせるからね。

 僕自身は、回復やケガ防止の最適な手法が何なのかを常に模索してきた。いろんなことを試してきたが、それでもまだ、結論を得られたとは言えないんだ。

―― 今季をケガで早く終えた選手のなかには、錦織圭選手も含まれています。彼とラオニッチ選手はライバルだと言われ、錦織選手もラオニッチ選手のことを強く意識すると言っていました。

ラオニッチ 僕と彼とは、キャリアにおける重要な試合を多く戦ってきた。2014年のウインブルドン4回戦は、僕が初めてグランドスラムでベスト4へと進むうえで大切な試合だった。その数ヵ月後には、今度は全米オープンの4回戦で対戦し、そのときは圭が勝ち、そのまま決勝まで行った。僕らの試合は常に接戦だし、ライバルと呼ぶにふさわしい関係にあると思う。

 だから圭のことは、常に気にかけているよ。彼のテニスを学び、解析し、その成長や改善の過程をつぶさに追ってきた。なぜなら、またいつか、彼とはキャリアの重要な局面で交錯することがわかっているからね。彼は非常にハードワーカーだし、常に成長している。

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