錦織なしでも大丈夫。日本のデ杯勝利は、エース杉田祐一が引っぱった (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 第3試合のダブルスでは、内山靖崇(ダブルス461位)/マクラクラン・ベン(D138位)組が、マルセロ・メロ(D3位)/ブルノ・ソアレス(D12位)組に、(2)6-7、4-6、2-6で敗れた。だが、エース対決の第4試合で、杉田は終始落ち着いたストロークを打ち続けて、モンテイロを6-3、6-2、6-3で破って、日本の勝利を決めた(第5試合は実施されず)。シングルスで2勝を挙げた杉田は、日本のエースとしての重責をしっかり果たしてみせた。

「チームのみなに感謝したい気持ちですね。ランキングからいって、今回は僕が2勝しないといけない状況でしたが、その責任を果たせたことは本当に嬉しく思っています。添田さんの初日の1勝で、グーッとチームがいい方向に向いたので、最後決められて本当によかった。錦織と西岡が抜けている中で、WGに残れたことは本当に大きな1勝だと思います」

 岩渕監督はデ杯初采配で初勝利を手にし、安堵の表情を浮かべた。

「錦織と西岡がいないのは大きいですし、ダニエルは出場を見送りましたが、それでもWGにいられる。今の日本の層の厚さを感じてはいたものの、アジアに落ちるかもしれないというすごくプレッシャーのかかる戦いで、しっかり残れたのはすごく自信になります」

 2018年シーズンも日本は世界上位16カ国で構成されるWGで戦うことになる。2014年からWGを連続して維持できていることは、日本の実力が以前と比べて上がったことを示している。これまでの戦いでは錦織の影響が大きかったが、今回は自己最高のランキングを更新し続ける杉田のレベルアップが好影響を及ぼしたのは間違いない。

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