休養から2冠のナダル。錦織圭も「情熱のカムバック」を果たせるか (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 その中で、予選から勝ち上がってベスト16に初進出した18歳のデニス・シャポバロフ(69位、カナダ)と、グランドスラムで初めてベスト8に進出した19歳のアンドレイ・ルブレフ(53位、ロシア)によるティーンエイジャーの活躍は鮮烈で、新しい時代の到来を十分に感じさせた。

 そもそも、USオープン開幕前から波乱の前兆はあった。

 昨年準優勝のノバク・ジョコビッチ(5位、セルビア)が右ひじの故障、ディフェンディングチャンピオンのスタン・ワウリンカ(4位、スイス)がひざの手術、昨年ベスト4の錦織圭(10位)が右手首の腱の裂傷と、トップ10選手にケガが多発していたのだ。

 開幕直前にはミロシュ・ラオニッチ(11位、カナダ)が左手首のケガで欠場。さらに、ニューヨーク入りして練習し、第2シードに決まっていたアンディ・マリー(2位、イギリス)がでん部のケガで、開幕2日前に突然出場を断念した。

 ラオニッチ以外の4人は、すでに2017年シーズンの終了を表明しており、異常事態ともいえるような状況になっている。

 ただ、昨年の左ひざの手術からカムバックした36歳のフェデラーは、いたって冷静にこの状況の原因を次のように語った。

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