松岡修造、杉山愛ほか8人から、引退する伊達公子への惜別メッセージ (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「2009年に僕が監督になった時に、伊達にすぐ代表復帰を打診しました。その時は、自信がないということで辞退されてしまったのですが、2010年に再度お願いした時は快諾してくれました。彼女がいなかったら、(日本が2013年に)ワールドグループIに復帰するのはなかなか難しかったと思う。伊達の活躍が森田(あゆみ)や、(奈良)くるみや(土居)美咲に刺激を与えたのは間違いない。彼女の存在が今の日本女子テニスの躍進の要因のひとつになった。

 いろいろお互いの意見をぶつけた方がいいということで、そういう間柄だったからこそよかったのかなと今は思う。僕はただ感謝しかないです。

 伊達のテニスは多くの人を引きつけるし、彼女を見られなくなるのは、多くのテニスファンにとっては残念なことですけど、大変なケガを乗り越えたうえで、その決断に至ったと思います。  

 本当にご苦労さま。最後の試合、思い出の詰まった有明で、悔いなく戦ってほしいですし、心から応援したい。また、これからの人生の方が長いです。伊達の与える影響は大きいわけですから、どういう形かわからないですけど、テニス界のためにアンバサダー的な存在でいてほしい。また一緒にメシでも食いたいなと思います」


土橋登志久氏
 現在、フェドカップ日本代表監督を務めている。

「手術から復帰したけど、なかなか思うようにプレーできずに残念でした。彼女がリハビリをして復帰を目指した姿勢は素晴らしかった。だから、最後にもっと楽しくプレーをしてほしかったです。でも、本人が決断したことですから、お疲れさまですと言いたいです。

 2008年に復帰して、最初、どこまで復帰できるんだろうと思いましたけど、グランドスラムに戻ってきて、トップ50に入ったのはすごいこと。今の若い選手たちがグランドスラムを近くに見えるようなった、きっかけになったのではないでしょうか。彼女が与えた影響は、結果だけでなくて、もっと大きいものだと思いますし、感謝しています。(最後の試合では)伊達らしく、全力で悔いなく、すべてをコートの上で表現してほしい。
 
 次のステップの中で、日本の強化や育成に携わってほしいなという気持ちが個人的にはあります」

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