土居美咲、苦しい中でも「バカみたいですけど、ランキングは考えない」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 昨シーズンは自分のことを対戦相手がよく知らなかった分、ポイントが決まりやすい部分があったが、今季は対策を講じられていることも増えたと土居は感じている。だが、勝てていないのはあくまでも自分に原因があると主張する。

 そんな彼女をフェドカップ日本代表監督の土橋登志久氏は次のように分析する。

「(土居は)もともとフォアのショットの威力が軸になるんですけど、その打つコースだったり、戦術パターンがそんなに多い方ではないので、そこを相手に読まれている」

 2017年シーズン、土居はWTAツアーの下位グレードにあたるITF大会には1回も出場していない。女子ではグランドスラムの本戦ストレートインの目安は108位なので、今のポジションを死守し、ポイント獲得のためにはITF大会にエントリーするという策が頭をよぎってもっても不思議ではないのだが、「考えていないというとバカみたいですけど、ランキングのことは考えないようにしている」と土居にはそんな守りの思考はない。

 もともと土居は100位前後の時からレベルの高いツアーへ果敢に挑戦して、たとえポイントが取れなくても、もまれながら実力をつけて這い上がってきたタイプだ。ランキングポイントを上げることより、自分の実力をもっと上げることを大事にしたいというのが彼女なりの復活への流儀なのだろう。

 また、土居がポイントのことを気にして、ITF大会を自分のスケジュールに入れようかと口にすれば、決まって「おまえ、何を変なことを考えているんだ。大きな視野で考えなさい」と、クリスチャン・ザハルカコーチからの激が飛ぶ。

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