どちらがシードなのか。大坂なおみ、全米OPで元女王ケルバーに圧勝 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 試合はどちらがシード選手かわからないほど、大坂の独壇場となった。

 ケルバーは、「大坂は攻撃的でサーブがとてもよかった。完全に私の日ではなかった」とめずらしくお手上げ状態だった。

 大坂の最速サーブが181kmで、サービスエースはなかったものの、ファーストサーブでのポイント獲得率は79%と非常に高い数字を残している。

 さらに大坂のストロークが終始深く入り、バックハンドストロークは安定し、なおかつ得意なフォアハンドストロークはウィナーを14本も記録した。ツアー屈指のディフェンス力を誇るケルバーだが、得意のカウンターショットは、大坂によってことごとく切り返されてしまう。本来のケルバーからは考えられない23本ものミスを犯して、反撃の糸口を見出せなかった。

 元シングルス世界8位で、この試合の解説を務めた杉山愛さんは、トップ10プレーヤーから初勝利を挙げた19歳の大坂の成長を高く評価した。

「攻守のバランスがすごくよかった。ミスも少なかったなかで、一本調子ではないからこそ、決め手になるショットがより活きていた。鉄壁のケルバーが守りきれなかったんですからね。(メンタル面でも)同じ間違いを絶対しなかった。退(ひ)かず、慌てず、自分のやるべきことをしっかり最後まで集中を途切らせることなく、高いエネルギーでできた。本当に圧巻でした」 

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