ツアー優勝の杉田祐一に聞く。「シード獲得へ、年末までが勝負です」 (5ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


杉田 危機というか、一番きつかったのは2年目ですね。ランキングを落として、そこから上げてい」く時がしんどかったというか、かなりのダメージはありましたね(プロ転向直後の2006年10月のATPランキングは538位だったが、2008年3月には1060位まで落ちた)。

――その時、手を差し伸べてくれる人々がいたそうですが、具体的にどなただったのでしょうか。

杉田 誰ひとりというわけではないと思うんです。いろいろな形で、上を目指す環境があったということです。もちろんスポンサーもそうですし、周りのコーチ、トレーナー、トレーニングコーチ、そういう人達が本当に熱心にしっかり考えてくれて、熱意をもって接してくれたというのが一番ですよね。

――現在コーチとは何を課題にして取り組んでいるのですか。

杉田 パナマのブライアン・ネロスがツアーコーチをしてくれています。ボブ(・ブレットコーチ、ボリス・ベッカーや松岡修造を指導した名コーチ)の紹介です。テニス自体は今、非常にいいので、ストロークやサーブ全部が崩れないようにしています。何かしら悪くなった時に、しっかり修正してくれるのが僕のコーチです。全体的にレベルアップしていかないといけないのは僕自身もわかっているので。

――グランドストロークで落ち着いたプレーができていますよね。

杉田 ストロークの攻撃力は上がったと思っています。やっぱりどういうショットが、相手にダメージになるのかというのは、トップの選手たちと対戦するなかで、発見することができて、そこは徐々にですけどパワーアップしていると思います。

――初めて世界のトップ100入りしたのが昨年の2月。同年8月に、当時102位の杉田選手は、マスターズ1000・シンシナティ大会を予選から勝ち上がって、アレクサンダー・ズベレフ(27位)、ニコラス・マユ(42位)を破り、3回戦でミロシュ・ラオニッチ(6位)にフルセットの惜敗。ツアーでもまれるというか、レベルの高い舞台で試合をして、実力者に勝つことによって、杉田さんの実力も上がってきている感じですか?

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