ツアー優勝の杉田祐一に聞く。「シード獲得へ、年末までが勝負です」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


――杉田さんは2006年10月にプロ転向。プロ11年目、28歳で勝ち取ったことについての感じるところは?

杉田 本当にいい時期だなと思っています。ここからツアーに定着して、ランキングを上げたいと思った時に、やっぱり何かひとつ大きなものを持っているかいないかでは、まったく違います。本当にいい形でインパクトを与えられたかなと思っています。

――アンタルヤ大会を振り返って、ターニングポイントとなった試合はありますか?

杉田 ダビド・フェレール戦(39位、スペイン)でしょうね(2回戦 6-3、3-6、7-6(2))。ファイナルセットのタイブレークで勝負がつきましたし、どっちが勝ってもおかしくない状態のなかで、僕が主導権を握れていた。「しっかりと自分のプレーができれば、この大会、優勝できるチャンスはあるのかな」と、あの勝利で思いました。

――フェレールは身長175cmと小柄ですけど(杉田の身長は173cm)、ツアーでも屈指のフットワーク力とストローク力があって、粘り強い選手です。勝つ自信は、試合前からあったのですか。
※35歳のフェレールは、長年ツアーの最前線で活躍するトップ選手。ATPランキング自己最高3位。2013年の全仏オープン準優勝。2007年のマスターズカップ準優勝を果たしている

杉田 もし勝つことができたら、という思いはありました。僕のモデル(お手本)のような選手で、身長が高くないし、走り回って、ポイントを取るタイプ。彼のテニスは非常に参考になる部分が多かったです。

――杉田さんのATPツアー優勝は、日本男子プロテニス選手として、松岡修造さん、錦織圭選手に次ぐ3人目の快挙となりました。この偉業についてはどう思いますか。

杉田 本当に長い間、日本人のツアー優勝は達成されていなかったなかで、年下の圭がガッと行きましたけど、その後にまた続く人がいなかった。タイトルを取れたことは、本当に大きな意味があると思います。

特に(錦織のように海外テニス留学をせずに)僕は日本で育ったので、そういった環境で、ツアーでチャンピオンになれたということは、僕自身、伝えられることが何かあるんじゃないかなかと。もちろん、ここで終わってしまっては絶対いけないと思っていますし、これからツアーに定着するようになったら、とても大きな意味があると思ってます。

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