体さえ持てば......錦織圭に
ウインブルドンのベスト8が見えてくる

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 グラスコートではボールが滑るようにしてバウンドし、フットワークもスリップする可能性があり、普段使わない筋肉を使うため疲労度が高いといわれる。しかし、ボッティーニコーチは、グラスでの錦織のフットワークに問題はないと太鼓判を押す。

「多くの選手がグラスコートよりハードコートやクレーコートでの動きの方がいい。でも、圭はグラスコートでも他のサーフェスと同じようにできる。圭ほど動きのいい選手は他にいないよ」

 これまで錦織はグランドスラム4大会の中で、ウインブルドンだけベスト8以上に進んだことがない。最高成績は2014年と2016年のベスト16だ。

「ウインブルドンでいい成績を残したいという気持ちは毎年ある。その気持ちを常に持って、タイミングが合えば、結果も出てくると思う。毎年チャレンジ精神を持ってやりたいです」

 錦織の1回戦は大会初日の7月3日に行なわれる予定だ。まずは、第9シードを守ってベスト16に進むことが、錦織の第一目標になるのではないだろうか。
 
 チャンコーチは「ここ(ウインブルドン)では不確定な要素をはらんでいるものの、圭が1試合ずつ戦っていく中で、いいプレーができれば、過去の成績を超えてステップを踏み出すことができるはず」と語る。ボッティーニコーチも、「健康さえ維持できれば、圭のポテンシャルが発揮されて、(ウインブルドンでの)ベスト8が見えてくる」と期待を寄せる。

 ふたりのコーチが話すように、試合の中でフィジカル問題が悪化せず、プレーを重ねながらテニスの内容が上向くならば、ウインブルドンで初のベスト8への扉が開かれていくはずだ。

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