ジュニア準優勝から10年。土居美咲が思い出のウインブルドンを語る (7ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 しかも勝つたびに、控室からコートにエスコートしてくれる警備員の数が増えていくんです。選手も試合数も減って、みなさん暇になるから(笑)。最初のうちはひとりだけだった警備員が、ベスト4や決勝に行ったときは20人くらいに囲まれて! あのころは、ただ単にはしゃいでいましたね。

―― その準優勝から10年。どんな10年でしたか?

土居 10年......長いですね。でも早かった。早かったけれど、濃かった。うん......濃かったですね。

 16歳から26歳にかけての"ひと昔"の年月を、彼女は噛みしめるように「濃かった」と言い表す。そんな土居に、取材の最後に自然と「まだまだ、モチベーションは高いですか?」と聞いていた。

「高いですね。うまくなりたい!」

 返ってきたのはストローク同様に、迷いなく切れ味鋭い、まっすぐな言葉。

 彼女にとっての「うまくなる」とは、今取り組んでいるプレーを突き詰め、目指すテニスでの最高になること――。つまりは、見る者を興奮させ、鮮烈なインパクトを残す土居美咲のテニスの、"その先"へと進むことだ。

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