ジュニア準優勝から10年。
土居美咲が思い出のウインブルドンを語る

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

―― そしてキーズに勝ったのが、土居さんにとって対トップ10初勝利。それは大きな意味を持ちますか?

土居 正直「トップ10初勝利」というのも、人に言われて初めて気づきました。トップ10に勝てたというのは純粋にうれしいですが、ただ「勝てる」と思いながら試合していた部分もあったので。大きい出来事だけれど、そこまで大きいわけでもないという感じです。

―― 土居さんが自分にかける言葉は「振り切れ!」だと以前に言っていました。キーズ戦もそうでした?

土居 そうですね、あの試合は最後まで腕が振れていましたね。彼女はサーブのいい選手で、その相手に対してしっかり振り切り勝てたのはよかったです。それに、3セットで競り勝てたのも大きい。競った試合ほど「最終的には強い選手が勝つよね」みたいなところ、あるじゃないですか? そういうなかで厳しい試合を競り勝てたのはよかったです。

 7月3日に開幕するウインブルドン本戦に、日本女子はシングルス5名、ダブルスでも全豪ベスト4の穂積絵莉/加藤未唯や青山修子ら、多くの選手が参戦する。そのように日本女子テニスが厚みを増すなかで、土居は今年3月に「土居・奈良(くるみ)で話題を作っていきたい」と宣言した。同期のライバルにして友人でもある奈良とともに活躍したいと公言した、その真意とは?

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