ジュニア準優勝から10年。
土居美咲が思い出のウインブルドンを語る

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

―― 以前の土居さんは、負けた後の落ち込みが人一倍激しい選手だったとも聞きます。そのあたりは変わってきました?

土居 そういえば、3~4年前にサイモン(・ウォルシュ/オーストラリア人コーチ)とやっていたときに、「お前は負けるたびに世界の終わりくらいに落ち込むけれど、別に誰かが死んだわけでもないぞ」と言われたことを思い出しました(笑)。きっとあのころは、落ち込み方が激しかったんでしょうね。今でも落ち込むことはありますが、そのときによって......ですね。

―― 欧米の人は、選手もコーチもよく「テニスはテニス。負けても人生の終わりではない」という言い方をしますよね?

土居 しますね。クリス(・ザハルカ/現在の土居のアメリカ人コーチ)からも、そういうことはよく言われます。

―― 土居さんは海外のコーチをつけることも多いですが、考え方の部分で日本人との違いを感じることはありますか?

土居 ありますね。そういう部分がもしかしたら、一番大きいかもしれません。日本人はそれがいいところでもあるんですが、ひとつのことに打ち込む感じになりがちですよね。欧米人のほうがメリハリが効いているというか、オンオフの切り替えがうまい気がします。ツアー中や大会期間中でも、楽しむときは楽しもうよ......という感じで。

 それが、今の私には合っているんだと思います。私も日本人的な価値観のなかで育ってきたので、こういう楽しみ方もあるんだ......と。

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