土居美咲「超攻撃的テニスは変えない。四大大会でもチャンスあり」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro


 また、勝負の世界は活躍した選手の攻略法が見つかれば、広まるのは早い。土居の持ち味であるサウスポーからのフォアハンドと、フットワークのよさを生かしたアグレッシブな攻撃的スタイルは研究されている。現状を打破するのに何が必要なのか−−−。

「細かいところを今よりもレベルアップさせていくしかないですね。フィジカル、技術、スピード、パワー。それにメンタルや戦術的な駆け引き。ひとつひとつ突き詰めていく。まだまだ伸びる余地がだいぶあると実感もしています。いまは思ったような結果が出ていないけれど、これはもっと大きくジャンプアップするための課題でしょうね。ひとつきっかけをつかんで、ここを乗り越えていけば、すごく成長ができると感じています」

 ここまで噛み合っていない歯車をスムーズに動かすために必要なのが、ひとつの勝利。それを手にするため土居は、この春にきっかけを得た。新たにニューバランス社と契約を結び、シューズとウエアを一新したのだ。日本人アスリートが同社のグローバル契約を手にするのは、MLBヒューストン・アストロズの青木宣親に次いで2人目。期待の大きさの表れでもある。

「シーズンがハードコートからクレーコートに変わるタイミングでサポートを受けることになったのは、大きなきっかけになると思っています。クレーコートシーズンは毎年、私にテニスの幅や戦術面の成長をもたらしてくれるし、武器のフットワークを生かせるサーフェスです。新しいシューズは足と地面の距離が近くて一体感が抜群にいいし、左右への切り返しやスライドさせる動きなど、意のままに軽快なフットワークが踏める。私らしさが活かせるので気に入っています」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る