土居美咲「超攻撃的テニスは変えない。四大大会でもチャンスあり」 (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro


 プロ転向8年目で見せた快進撃は、自己最高の30位(2016年10月10日付け)を記録し、最終的に年間ランキングは40位となった。2014年の124位、2015年の54位から着実にステップアップしていく姿は、新たなシーズンでさらなる飛躍を見せてくれるかと周囲を期待させた。

 しかし、2017年シーズンは昨年の目覚ましい活躍が夢だったかのような結果が続いている。2月の台湾オープンこそベスト8に進出したものの、1月から5月中旬のBNLイタリア国際までに出場した全11大会のうち7大会で初戦敗退。故障を抱えているのではという声すら上がるが、土居は笑顔で一蹴する。

「去年の反動が出ているとかではないですね。コンディションはいいし、テニスの調子自体も悪くない。たしかに勝ち星がつかめなくて難しい部分もあるけれど、ひとつ勝てば変わってくると思っています。練習はうまくいっているし、その手応えは感じています」

 なぜ今シーズンは勝ちに恵まれないか、その理由を自己分析してもらった。

「やっぱり、去年からいろんな選手と試合や練習をするようになったことで、土居美咲というプレーヤーがどういう特徴を持っているかを知られたことが影響していますね。対戦相手が私のことを知らないときは、私が主導権を握って積極的に攻撃的なプレーをすることができた。でも、今年は相手が私の武器をわかったうえで戦法や戦略を立ててきている。私も相手がそう出てくるとわかってはいるんですが、それを打破できていないんですよね」

 世界中を転戦するWTAツアーでは選手同士で練習することはめずらしくない。だが、それは互いの手の内を晒し合うことでもある。そのためマリア・シャラポアやビクトリア・アザレンカ、セレーナ・ウィリアムスといった選手たちは、世界中どこの大会にも必ず専属のヒッティングパートナーを同行させている。

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