心配な錦織圭の右手首は「ほぼ100%」。むしろサーブは切れ味抜群 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 浮き沈みの激しい展開ながら第1セットを取りきり、続く第2セットも最初のゲームをブレークした時点で、事実上の勝敗は決しただろう。終わってみれば7-5、6-2。試合時間1時間21分の快勝だった。

 先週のマドリードでは準々決勝を戦わずして棄権したため、今大会の出場にも直前まで慎重な姿勢を見せていた錦織。それでもコーチやトレーナーを含むチーム全体としての「大丈夫」との判断があり、錦織本人も「自信をつけてフレンチ(オープン)に挑みたいので、なるべく多くの試合ができるように今週はがんばりたい」と上位進出に意欲を燃やす。

 その上位進出の前に立ちはだかる関門が、次の3回戦で相対するフアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)だ。両者の初対戦は錦織が18歳、デル・ポトロ19歳時。そこから錦織が4連敗を喫したが、その後、デル・ポトロは度重なる左手首の手術のために長期間ツアーを離脱。約4年ぶりの対戦となった昨年10月、ついに錦織が初勝利を奪い取った同世代の強敵だ。

 デル・ポトロとの対戦は、かつては錦織にとって、大きな"チャレンジ"だった。だが今回の対戦では、依然ケガからの完全復活の道中にいるデル・ポトロのほうが、自身を挑戦者ととらえている。

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