シャラポワの特例復帰に批判の嵐。
「ロッカールームで孤立するだろう」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 前出のストリコバは「マリアに友人はいない。ロッカールームでも、彼女は孤立するだろう」と、ヒリヒリした現場の空気に言及した。

 一方のシャラポワは「批判を気にしている暇など私にはない」と、周囲の声を意に介する様子はなし。4月19日に30歳を迎えた不屈のファイターは「多くの人たちが、私は終わったと思ったはず。でも私は、キャリアの最後は自分が納得できる形で決めたい。テニスから離れたことで改めて、自分がどれだけテニスを愛しているかを知った」と、コートへの燃えるような渇望を口にした。

 決して健全な形とは言いがたいが、シャラポワの帰還によって生じる巨大な渦は、周囲のことごとくを巻き込んで、選手たちの心を波立たせる。

 硬直化していた世界に、新たな熱が生まれる――。

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