シャラポワの特例復帰に批判の嵐。「ロッカールームで孤立するだろう」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 その意味では、知名度や性格面でもセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)が圧倒的な資質を示すが、彼女もすでに35歳。グランドスラム優勝回数でシュテフィ・グラフ(ドイツ)が持っていた22回を抜き、モチベーションの低下が懸念されていたその矢先に、先ごろ妊娠を発表した。本人は来季の復帰を目指すというが、未来はあまりに不確かだ。

 では、肝心の若手はと言えば、「次期女王」と期待された選手たちの足踏みが続いているのが現状だ。その最たる例が、2014年ウインブルドン準優勝者のウージニー・ブシャール(カナダ)だろう。同年に世界の5位まで大躍進した当時20歳のカナダ人は、ブロンド輝く艶やかな容姿もあいまって、本人が望むと望まざるとにかかわらず「シャラポワ2世」と呼ばれもした。

 しかし以降は伸び悩み、最近ではツイッターでデートを申し込んできたファンとバスケットボール観戦をするなど、話題を振りまくのは主にオフコート。オンコートでは、勝利と自信を得るために出た下部大会で896位の選手に敗れるなど、陥ったスランプは深刻だ。

 その停滞感ただよう女子テニス界に、かつての女王が種々の物議を絡め取りながら帰ってくる。

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