シャラポワの特例復帰に批判の嵐。「ロッカールームで孤立するだろう」 (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 しかし先述したように、シャラポワの出場停止が解けるのは26日(水曜日)。これは大会開幕から、すでに2日が経過した日のことだ。たしかにスケジュールだけでいえば、水曜日に初戦を戦っても、日曜日の決勝に間に合うは間に合う。しかし、開幕の時点でまだ謹慎処分の最中にいる選手の出場が許されるというのは、誰もが首をひねる事態だ。

 この特例とも取られかねないシャラポワへの処遇に、選手たちも戸惑いを隠せない。ドイツのナンバーワン選手であるアンジェリック・ケルバーは、「最初の数日は会場に来ることすら許されない選手が、突然水曜日に現れて試合をするというのは奇妙」と所感を述べたうえで、本来なら地元のドイツ選手に使われるはずのワイルドカードがシャラポワに出されたことにも疑問を呈した。

「ドイツには今、いい選手がたくさんいる。私たちはドイツ代表として、国のために戦っているのに......」

 ちなみにポルシェは、フェドカップ(国別対抗戦)ドイツ代表チームの公式スポンサーでもある。

 このケルバーより一層、明確に異議の声を挙げたのは、自らも禁止薬物使用のかどで6ヵ月の出場停止処分を受けたことのあるバルボラ・ストリコバ(チェコ)だ。

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