マリー、ジョコ欠場で第2シード。錦織圭、マスターズ制覇の大のチャンス (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 さらに順当にいった場合、3回戦からはシード選手との対戦が始まり、第25シードのフェルナンド・ベルダスコ(30位、スペイン)で、錦織の2勝2敗。4回戦では第15シードのパブロ・カレノ ブスタ(19位、スペイン)で、未対戦。準々決勝では第7シードのマリン・チリッチ(9位、クロアチア)で、錦織の7勝6敗。準決勝では第3シードのミロシュ・ラオニッチ(5位、カナダ)で、錦織の5勝2敗だ。

 プロ10年目を迎えている錦織だが、ちょうど10年前のマイアミ大会はツアーデビューを飾った思い出がある。

 ジュニア時代からマイアミ大会を訪れ、ジュニアの部でプレーするだけでなく、トップ選手の試合も観戦して貴重な経験を積んだ。

 そして、2007年のマイアミ大会で、当時17歳の錦織はワイルドカードを獲得して、ローランギャロス(全仏)優勝者で元世界ナンバーワンのグスタボ・クエルテン(ブラジル)と組んだダブルスに初出場し、プロ転向(2007年9月)より先に、ツアーのひのき舞台でプレーしたのだった。

「今、トップ10にいることを嬉しく思います。(2007年のダブルスでは)とてもナーバスになって、コートでどんなプレーをしたか全然覚えていません。でも、クエルテンのようなトッププレーヤーとプレーできたのは素晴らしい経験でした」

 プロ10年のキャリアを振り返ると、「早いかもしれないですね」と錦織は、感慨深げに思いを巡らす。

「10年の間にいろいろたくさんありました。10年と聞くと、すごい長いような響きなので。でも、プロになって新鮮な1、2年目の思い出はよく残っていますし、すごく早いなという印象があります」

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