大坂なおみは、まだポテンシャルの20%。現在「テニスIQ」の特訓中 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 身体の表現力を上げることで、より多くの状況を『攻撃』で占めていくのがふたりのプラン。現在の大坂のフィジカルを「ポテンシャルの20%程度」だと見るテイラーは、2~3年の長期的視野に立った強化を目指していくと言った。

 インディアンウェルズでの大坂の戦いは3回戦で幕を引いたが、続くマイアミ・オープンでは、初戦で82位のクリスティーナ・クコワ(スロバキア)に6-2、6-3で快勝するスタートを切った。

「ランキングが下の選手に取りこぼすことが多いのが、私の課題だった。でも最近は、それが減っている」

 試合後の大坂は、いつもどおりのクールな表情ながら、声には満足気な響きを乗せた。確かに今季の大坂は、50位以下の選手に負けていない。

 育った町からほど近いマイアミは、大坂にとってホームの大会。

「今日はとても感覚がよかった。ベスト8までは行けそうな気がする」

 ことさら気負うことなく、さらりと19歳は言う。その目指す地点の前には、2回戦で世界5位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が立ちはだかる。ハレプと大坂は昨年の全仏オープンで対戦し、そのときは大坂がセットを先行するも、最後はハレプの経験と試合運びのうまさの前に振り切られた。

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