大坂なおみは、まだポテンシャルの20%。現在「テニスIQ」の特訓中 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 その難敵と再戦した大坂は、立ち上がりこそ「緊張から」硬くなり自分のゲームを落とすが、すぐに奪い返し、以降は主導権を握り続ける。彼女が試合前にコーチと話したことは「相手のセカンドサーブを踏み込んで叩く」、そして「常に攻撃的な姿勢を貫き、試合を支配すること」。細かい戦術に関しては多くを明かさなかったが、「今の私は、以前よりも多くの戦術パターンを持っている。以前よりもいい選手になっている」と断言した。

 この大坂の自信を、コーチの言葉も裏づける。

「今日の彼女は、試合前に話し合っていたことを最後までやり抜いた。慌てて作戦を変えたり、相手に合わせることなく、自分のやるべきことをやったのがよかった点です」

 ポイントパターンを増やし、戦略性を磨くと同時にふたりが現在目指しているのは、大坂の最大の持ち味である攻撃力を伸ばし、相手に最後まで流れを渡すことなく試合を支配することだ。

 また、「テニスIQ」の研鑚と並行して、テイラーコーチが最重要項目として挙げたのが、フィジカルの強化である。

「テニスには『攻撃』『ニュートラル』『守備』の3つの状態があり、自分がどの状況にいるのか見極めながら、プレー選択をするのが大切です。ただ、フィジカルを強化すれば、『守備』だった状態を『ニュートラル』に持っていける。『ニュートラル』であった状況も『攻撃』に変えることができる」

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